雪中行軍

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歩き旅の最大の敵、それは台風と大雪。朝から大雪のこの日も、普段と変わりなく歩いたが、雪は様々な方法で歩き旅を妨害してくれるのであった。

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歩き旅の大敵-「大雪」

昨晩から嫌な予感はしていた。昨日のゴール時には降っていた雨がみぞれに変わり、さしていたカサにそのみぞれが積もるという事態も起きていたのだ。そして天気予報によれば気圧配置は典型的な西高東低、これで「何か」が起こらない方がおかしかった。

しかし、「もしかすると夜のうちに…」というわずかな期待をもって休んだ昨夜であったが、朝起きてみると果たして「何か」は起こっていた。台風と並ぶ歩き旅の大敵-「大雪」である。

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滑川駅前

以前、大学時代に春の房総で季節外れの大雪にあった経験から、雪はものすごく歩きにくいということを私は身をもって知っていた。しかし、今日も歩くより仕方なく、7時過ぎにはジャンジャン降りの雪の中を完全防備で出発した。

雪に悩まされて…

この日も予想通り散々雪に苦しめられる。雪は降り始めから積もった雪が解けきるまで、順番に様々な方法で歩き旅を妨害してくれる。

まず降り始めは寒い。北国ではよく「雪が降ってしまえば暖かい」と言うが、それは降り積もった後の話で、降っている最中、特に降り始めはとにかく寒い。この日の富山の最高気温は3℃だった。

そして積もってきた頃からはものすごく歩きづらい。積もった雪の上を歩くとなるとズポズポはまるし、おまけにズルズルすべる。はっきり言って無駄な体力と筋力を使うこととなる。

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自分の足跡

そして雪が少し解け出して自動車がいつもの速度で走り出す頃になると、自動車による「泥はね」や「雪(水)はね」がひどくなる。雨の日に幹線道路を歩いていると轍にたまった水をトラックなどがはね上げていき、冗談じゃなく頭から水をひっかぶることがあるが、雪はその比ではない。

このように、雪というものは一度降ると完全にその雪が解けきるまでずっと悩まされ続けなければならない、歩き旅にとっては大変厄介なものなのである。

YA-YA-YA

この日の雪は、9時頃までに散々降って視界が十数メートルというところまでいったが、10時頃から止み始め、昼過ぎには止んでくれた。しかし「寒い→歩きづらい→自動車のはねがひどい」というサイクルはしっかり機能してくれて、この日、私は少し風邪をひき、右足に軽い肉離れを起こす羽目になった。

しかし、幸いだったのは、さすがに雪国の富山県だけあって街や道路自体が雪に強くできていたのであろう、積もった雪があまり長く残ることなく消えてしまったことである。おかげで自動車のはねにはあまり苦しめられずに歩くことができた。

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雪化粧の町

昼の休憩の時に聞いたZOOの「YA-YA-YA」(当時のJRスキーのイメージソング)が、妙に外の雪景色とマッチしていて複雑な気分だったのも今では良い想い出である。