Goal! 波照間島
新たなゴールは日本最南端波照間島の日本最南端の碑。食堂のおばちゃんや野生のヤギに歓迎されながら、最終ゴール。「ついにやったぜ!」
新たなゴール
沖縄本島を歩いている頃から、「日本縦断」をするのに沖縄が入っていないのはおかしいのではないかと思い始めた。確かに「日本縦断」をする多くの旅人は、宗谷岬から佐多岬まで(あるいはその逆)をルートとしている。しかし沖縄に来てみて、それがいかに不当なことかというのを私は感じ始めていた。
沖縄だって立派な日本の領土であるし、いくら海を隔てているからといって、すでに津軽海峡を船で渡ってきているのだから、今さら「船か飛行機という乗り物を使わないといけないから」という言い訳は使えない。
日本最北瑞の北海道宗谷岬を出発したのだから、人が住んでいるところでは日本最南瑞の沖縄県波照間島まで行かなくては正式な「日本縦断」にはならないはずだと思い始めていた私は、新たなゴールとして波照間島にある「日本最南端の碑」を設定していたのである。
波照間島へ
朝起きてみると、外は大雨。かなりガックリきたが、最北端の出発も雨の中だったし、と思いながら雨の中を石垣港へ向かう。波照間行きの船は50人乗りぐらいの小型高速船。ものすごいスピードで波の上を跳ねるようにしてかっとび、1時間弱で波照間港到着。
午前50%午後60%の降水確率はどこへやらといった感じで、波照間島は気持ちのよい青空が広がっていた。雨仕度をしまい、いつものようにストレッチをして、午前11時半いよいよ最南端へ向けて歩き出した。
波照間島は周囲約15㎞弱の小さい島であり、集落は主に島の中心部に集まっている。その中心部の集落に島にただ一軒の食堂があったので、そこに入って昼食にする。メニューがなかったのでたぶんそばならあるだろうと思い、おばちゃんに声をかけてみた。
「すいません。そばできますか?」
「いや、それが今日は1便で来なかったからもう少ししないとできないんだよ」
波照間島には石垣島から1日8往復の定期船が出ているのだが、どうやら2便で着くはずのそばがまだ届いていないらしい。私は別に何でも良かったので、とりあえずできるものとして焼き飯(チャーハン)をつくってもらった。
日本最南端にゴール
おばちゃんは併設している店の方からチャーハンの素をもってきてつくっていたが、久々に食べた焼き飯の味は休みの日に祖母によく昼食につくってもらう焼き飯の味を思い出させてくれた。
人間の数よりも数倍多いという野生のヤギに歓迎されながら歩き、最南端の碑到着は午後2時05分。今度は「ついにやったぜ!」という感じだった。
北緯45度30分の北海道宗谷岬を出発してから5ヶ月、北緯24度01分のここ日本最南端波照間島に今自分が立っているのだと思うと何とも言えない気持ちだった。
沖縄本島の那覇YHで一緒だったチャリダーの女性と偶然再会し、彼女と一緒に喜びを分かち合うことができて嬉しかった。彼女が帰った後も、私は遙か南方に果てしなく広がる海の碧さにただひたすら見とれているだけであった。